原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

4月23日 第6回テント裁判の法廷報告

◆裁判の様子
4月23日午後2時過ぎからテント裁判は始まった。
この日はもろ、いよいよ経産省前テントひろばの占有についての審理が始まる予定だったが、4月の裁判官の異動で、右陪審(裁判長の左の裁判官)が女性裁判官に替わったため、「裁判の更新手続き」になった。更新手続きは、今までの審理で何が争点なのか、被告が何を主張していたのかを右陪審にも知らせるために、被告、弁護士が主張を整理して述べる。それでこの日も、まず、淵上さんが、そして正清さんが発言した。そして河合弁護士が裁判の経過について述べた。

その上で、一瀬弁護士が占有に関して、「準備書面8」の内容を述べて、裁判は終わってた。「いよいよおもしろくなるぞ」という感じの法廷にはならなかったが、おもしろくなっていくことは確かだ。

◆4月23日に提出した「準備書面(8)」
(経産省まえテントひろば・ブログより)

 裁判開始から約1年。第6回裁判で被告のテント側は、準備書面(8)を提出し、経産省前の3張りのテントの敷地(以下、本件土地)の占有問題について、踏み込んだ主張を出した。原告・国の主張(本件土地全体は被告ら2名が占有している)を単に否認するだけでなく、占有者の氏名を明らかにして、具体的に反論した。
準備書面(8)は、次回から論議されます。必ず読んでください。

●以下、今回出した被告の主張のポイントを紹介します。

(1) まず重要な点は、何時の時点での「土地の占有」が問題になっているかです。原告は本件土地に関して「占有移転禁止仮処分」を申し立て、その決定が昨年3月14日に執行されています。従って、昨年3月時点の「土地の占有」が争点です。

(2) 次に、本件土地の大部分は3張りのテントの敷地ですから、誰が3張りのテントを所有し、又管理・運営しているかも問題となります。その際には3張りのテントの所有や管理・運営の主体は団体か個人かが問題となりますが、テント運動の性格上その主体は団体ではなく自主的な個人であると被告は一貫して主張しています。そこで3張りのテントに個人の誰がどの程度関わっているのかが重大な争点となります。

(3) この点に関して、昨年3月に占有移転禁止仮処分を執行した東京地裁執行官の宮本英一は、第1テント内にいた氏名不詳の男性が「この場所は『9条改憲阻止の会』、『経産省前テントひろば』が使用しているということでいいと思います。代表者は正清さん、渕上さんです。」と述べたとする仮処分執行調書を作成しています。しかし、これは全く事実に反しています。しかも経産省は、一昨年8月になってテント前の2か所に不当・違法に設置した監視カメラや職員の目視情報からテント運動の実情をよく知っており、上記の調書が嘘だということを充分認識しています。

 要するに原告は、もともと宮本執行官と結託して上記のような虚偽の事実を調書に記載させ、被告ら2名のみが「本件土地部分を排他的及び継続的に占有する者」だと決めつけて今回の裁判を起こしたのです。

(4) 3張りのテントは、その建てられた時期や経過も異なるし、所有者も、また管理し運営している者も別々です。誰が土地の占有者であるかは各テントの実態を考慮し3張りのテントごとに具体的に認定される必要がありあります。

今年1月、多数のテント運動の参加者(今回は44名)が、テント運動の側から本件土地の占有問題の真実を明らかにするため、経産省に「国有地使用許可申請書」を提出しました。不当にも経産省の担当職員は、3回に及ぶ上記の許可申請書の提出を頑なに拒み続けました。

そこで、今回、被告側は準備書面(8)で、3張りのテントについて、上記の44名の個人が自分たちこそがテントを所有し、管理・運営しているという事実を明らかにしました。具体的には、第1テント関係では男女20名が、第2テント関係では16名が、また第3テント関係では7名が、それぞれ実名を出して本件土地の占有に関する真実を主張したのです。

(5) 今回の被告準備書面(8)によって、原告がテント撤去、土地明け渡しの判決を得るために、上記の宮本執行官と結託して虚偽の「仮処分調書」をでっち上げた悪事を暴露する闘いの決定的な第一歩が始まったのです。

 テント運動は間もなく1000日になります。政府の原発再稼働の動きが強まる中で、テント運動の役割はますます大きくなっています。次回の7月16日の裁判では、第2テント及び第3テントの設置経緯を明らかにして被告側主張を補充します。原告からも反論の書面が出される予定です。

(報告:あれこれ屋)

テント裁判第6回口頭弁論開かれる

4月23日(水)午後2時からテント裁判第6回口頭弁論が東京地裁103号法廷で開かれた。裁判に先立ち、午後1時から地裁前で短い開廷前抗議集会が行われた。

テント出発
▲経産省前テント出発


淵上 (1)
▲地裁前で裁判について発言する被告の淵上さん

川内
▲鹿児島・川内原発反対を闘う村山智さん

人見
▲福島の女たちの人見やよいさん

抽選に入る
▲傍聴抽選のため地裁へ

当日の様子は録画(Uplan 三輪佑児さんによる)で見ることが出来る。カッコ内の数字はそのシーンの始まる時刻を示している。

■地裁前抗議集会 https://www.youtube.com/watch?v=i9TxxVaahpE (1:47:40)



シュプレヒコール
渕上太郎さん(03:29~)
今日のスケジュールの説明(09:40~)
村山智さん(原発ゼロをめざす鹿児島県県民の会)(10:53〜)
人見やよいさん(原発いらない福島の女たち)(13:27〜)、
正清太一さん(18:05〜)
シュプレヒコール(19:24~)

傍聴券を求めて集まった人は約200人。傍聴に入れなかった人々はそのまま地裁前で抗議行動を続けた(28:00〜)。

抗議行動の進行役を務めた乱鬼龍さんの川柳:
・民論を集め テントは今日も立つ
・占有後楽 次代のために占拠する

■第6回口頭弁論の内容(別途)

■裁判報告集会 https://www.youtube.com/watch?v=oy9k_pxQAO (1:33:34)


午後4時からは参議院議員会館講堂で「裁判報告集会」が行われた。
(わたしは公判後、テントに寄ってから何人かの人々と参議院議員会館に向かったが、途中、警官が歩道に一列に並んで通せんぼをした。オバマ大統領の来日で警備が厳しくなっているためだろうか。目的を告げると、無線で上官と連絡をして、やっと通してくれるというハプニングがあった)。

会場は満員。司会はKさん。

渕上太郎さん(01:44〜)
今回の裁判から裁判官の一人が交代した(向かって左側、女性)ので、「更新意見書」というものを読み上げて、今までの裁判の経過と自分の考えを表明した。

1)テントを占有するということについて。
2)川内原発の再稼働について。
  規制委員会、国、地元(県知事、市長、市議会)と再稼働について判断される流れになってい
  るが、どの段階でも原発が安全かどうかの判定はされない。それによって本当に困るのは地元
  住民である。
  福島県双葉町の老人病院の例。
  再稼働に反対する運動をしぶとく続けていかなければならない。

福島瑞穂議員(16:55~)
・激励のあいさつ

正清太一さん(24:05~)
・福島の原発を造ったのはGE。日本のメーカーは俺たちの造ったものはもっといいぞ、とべトナム、香港などに売りに行っている。
・原発の寿命は20年(40年の間違い?)とされているが、それを延長しようとしている。このような点を考えていただきたい。



大口弁護士 
大口弁護士(26:25~)
・去年の今頃、第1回公判が終わったときは、この裁判をどのくらいやっていけるか、不安があったが、うまく行っていると思っている。
・裁判所と経産省が結託してどんどん押してくるのではないか、心配していた。

・テントがいかに貴重なものか、ひしひしと感じている。
外国の人たちは、唯一の原爆被爆国なのになぜ、再稼働するのか、日本人は何を考えているのか、と思っている。この脱原発テントの存在が、外国人の不信感を拭う役割をはたしている。
先日もベラルーシから婦人がテントを訪問したそうだ。
我々は経産省から感謝こそされても、文句を言われる筋合いはまったくない。

・今回、裁判の中味に入った。
テントを維持しているのは被告二人、他はその手下(占有補助者)という経産省の見方は間違っていることを指摘。
主体的に関わってきた人すべてが陳述出来るようにする。
できるだけじっくり戦っていく。
経産省が抑えようとしても押さえられないというような、ダイナミックな闘いを展開していく。


集会での川内発言
村山智さん (48:42~) 
今朝、薩摩川内市からかけつけた。薩摩川内市は保守的と思われているが、実際は多くの市民は署名、シール投票をやっても過半数が再稼働に反対。

わたしは原発から15キロの地点にある団地に住んでいる。3.11の後、27日に団地自治会の総会が開かれた。このままでいいのか。立ち上がろうじゃないか、という提案があった。
186世帯のうち、122世帯が参加した。さまざまな議論が交わされて、結局、3号機の増設をやめさせ、1,2号機の安全点検、避難訓練、避難道路の確保などについて市長との交渉を3月末にやることになり、採決を行った(反対:ゼロ、保留:21、賛成:74)。
会長は九州最大のゼネコンの役員、副会長は九電の社員。翌日の「朝日新聞」が取り上げてくれた。勇気ある人々が1,2号機を止め、3号機増設を凍結させていることを皆さんにぜひ、知ってもらいたい。
4,5日前には、役員会を開いて団地などに測定器設置を市に要求することになった。

商工会が原発推進の母体になっている。
市の中心に3キロにわたる商店街がある。
去年行ったシール投票では5割が再稼働に反対、3割が支持だった。
署名の場合は住所、氏名を書かなければならないので、いろいろなしがらみから、応じてくれない人も多い。署名は出来ないが、あなたたちを応援していると言ってくれる人が圧倒的。すべての人が心の中は反対と言ってよい。

川内原発の課題はないとマスコミは書きたてているが、課題だらけ。九電は活断層を出来るだけ小さく小さく見せようとしている。政府の地震調査会が九電の評価はとんでもないと批判。
九電は想定しているエネルギーの11倍のエネルギーご起こる可能性があることを認めたが、地震対策はやらないと言っている。
避難訓練、火山の問題もある。規制委は火山が噴火した際の避難を考えると、危険な火山があるところの半径160km以内は原発設置は出来ないとしているが、九電は危険性はないと逃げようとしている。
「川内をストップ出来れば、全国でストップ出来る」を合言葉に頑張っていきたい。

集会での人見さん
人見やよいさん(原発いらない福島の女たち)(1:05:45~)
1月から2か月半、カゼをひいていた。放射能の影響ではないか、と思わずにはいられない。
53歳なのにこの状態なのだから、若い人たち、子どもたちはもっとその影響を受けていると思う。

先日、ベラルーシ、ドイツの人たちと都路地区、それから大熊町のゲートまで行った。
ベラルーシでは「チェルノブイリ」という言葉を使ってはいけないという命令が出されたと聞いて、ショックでショックで仕方がない。
そのうち、福島という名前すら、使うな、なかったことにされてしまうのかも知れない。原発はバンバン動かされて、第2の福島がどこかで起こされるのかも知れない。そんなことを考えたら、この国がどこへ向かって行くのか、怖くて、怖くてしようがない。

国に向かってモノを言って行く拠点としてテントがある。そこに対して、このような無法な圧力がかかったことに対して怒りが禁じられない。出て行けというだけならまだしも、お金を払えていうのはとんでもないこと。
わたしたちは主権者として国に対してモノ言う権利が絶対あると思う。国はわたしたちの叫びを聞く義務があると思う。そして安全な暮らしを保障する義務もあると思う。わたしたちはそれを求めていく権利がある。
たくさんの人がそれを大きな声で言っていくしかない。

福島ではいろんな考え方が生まれてしまって、その中で小さな対立もある、分断もある。原発を持っている他の地域の皆さんにはそうならないようにしてもらいたい。

東京は影響力が大きいので、都民の皆さんには脱原発の候補者を選んでもらいたい。
東京だけでなく、全国で脱原発の候補者に勝ってもらいたい。国民の力で勝たせてあげたい。
そう言っている福島でも自民党を勝たせてしまって、ほんとに申し訳ないんですけど、次の選挙では必ずそうしたい。

テントが裁判に勝つこと、
脱原発の候補者が勝つこと。
いままでは負けて、負けて、負けて来たが、
これからは勝って、勝って、勝っていきましょう。

八木さん(伊方の家)(1:17:25~)
伊方の家は昨年11月25日に設立されて、ほぼ5か月が経った。この間に伊方の家を拠点として「伊方原発50キロ圏内住民有志の会」が八幡浜市、宇和島市、伊方町で井戸川さんの講演会を開催、先日は木幡さんの講演会を実現させた。
伊方町内でのこうした催しは34年ぶりに実現した。ようやく言論と表現の自由、人々の知る権利を奪い返し始めたということで非常に大きな注目を浴びた。

今、村山さんの話を聞いて、伊方ではまだまだだということを痛感。川内原発の再稼働阻止と伊方原発の再稼働阻止を連帯してやっていかなければいけないことを痛感した。
伊方では草の根の運動は20年近く途絶えている。
愛媛で反対しているのは、2自治体のみ。高知では多くの自治体が反対、対岸の大分県でも8自治体が反対している。
八幡浜市では、原発に対する不安、怒りを行動に表わすに至っていないことを今回の選挙で痛感した。八幡浜市の請願運動を実現させたい。そのための住民運動を作っていき、突破口として行きたい。

斎藤なぎささん(たんぽぽ舎)(1:25:10~)
去年11月から毎月第一水曜日に行われている東電本店合同抗議参加の呼びかけ(呼びかけ団体:経産省前テントひろば、たんぽぽ舎)。

杉山さん(福島原発行動隊)(1:27:50~ )
明日の原子力損害賠償支援機構法学習会・院内交渉のお知らせ

「川内反原発ドンパン節」 村山智さん(1:29:38~)
・秋田県の民謡「ドンパン節」に村山さんが歌詞をつけたもの。
「これが鹿児島県民の心をとらえ、全国民にひろがることが出来れば、再稼働をストップ出来ると確信しています」。
(最初、岩手の民謡という紹介があったが、訂正された)。

ドンドンパンパン ドンパンパン
ドドパパ ドドパパ ドンパンパ

1)福島原発 忘れない
  爆発原発 忘れない

 (繰り返し)原発ゼロでも大丈夫 電気は足りてる、困らない
        ドンドンパンパン ドンパンパン ドドパパ ドドパパ ドンパンパ

2)川内原発 動かすな
  日本の原発 動かすな

 (繰り返し)原発ゼロでも大丈夫 電気は足りてる、困らない
        ドンドンパンパン ドンパンパン ドドパパ ドドパパ ドンパンパ

3)反対する人 かわいいね
  廃炉言う人 なおかわいい

 (繰り返し)原発ゼロでも大丈夫 電気は足りてる、困らない
        ドンドンパンパン ドンパンパン ドドパパ ドドパパ ドンパンパ

4)ふるさと 守れ、国 守れ
  子どもを守れ、 孫守れ

 (繰り返し)原発ゼロでも大丈夫 電気は足りてる、困らない
        ドンドンパンパン ドンパンパン ドドパパ ドドパパ ドンパンパ


次回公判は7月16日(水)午後2時から。

第6回公判関連書面 (テント日誌URL: http://tentohiroba.tumblr.com)
・準備書面(8): テント日誌4月26日参照
・渕上太郎意見書: テント日誌4月24日参照
・正清太一意見書: テント日誌4月23日参照

(報告:あっきい 写真:あれこれ屋)

11月29日 第4回口頭弁論

第4回口頭弁論は11月29日(金)
東京地裁にお集まりください


 福島原発震災から2年半余り、私たちの運動はいよいよ正念場です。汚染水問題の焦点化・深刻化、子ども・被災者支援法の骨抜き、福島原発告訴団の訴えを踏みにじる不起訴決定、そして伊方をはじめとする原発再稼働への動きの激化等、厳しいニュースが続いています。しかしここでくじけるわけにはいきません。
 安倍政権は、私たちの生活と平和を破壊する政策を次々進め、いつか来た道を暴走しつつあります。
しかしその最も大きな破綻点が原発推進政策です。東京オリンピック誘致のための大ウソは、日々暴かれ世界の笑いもの。遠からずその命取りになるでしょう。
 経産省前テントひろばは、設立から2年を超えましたが、福島をはじめとする全国の心ある人々の支援に支えられて健在です。ともに頑張りましょう。


第4回口頭弁論
■午後1時~
東京地裁前集合・抗議行動
■午後2時~
第4回口頭弁論
東京地裁103号法廷



裁判報告集会
■ 11月29日午後4時~
参議院議員会館講堂
地下鉄国会議事堂前駅から数分
永田町駅から1~2分
満田夏花 FoE Japan理事
木村結 東電株主代表訴訟原告代表
武藤類子 福島原発告訴団団長
河合弘之 テント裁判弁護団団長
主催:経産省前テントひろば
テントひろば応援団

9.12.テント裁判第3回口頭弁論 傍聴報告 被告人取り違えのこんな裁判やる必要あるの?

■今日は傍聴券が当たった!
この日はよく晴れて最後まで日差しが強い一日でした。13時頃に東京地裁前に到着。すでに、人々は集まっていて、まさに抗議集会が始まろうとしていました。顔見知りの人が何人もいてなんか一安心。そのうち、裁判記録を取るように依頼されて、できるかなと思いつつ引き受けていました。

裁判所前抗議行動・黒田さん発言
▲抗議集会

○スラップ訴訟が広がっている!
この裁判前の抗議集会で、新たな事実を知りました。スラップ裁判が広がっているという事なのです。原発のないはずの祝島で何と、電力会社が、反対運動の中心となっていると三人の個人を特定し、原発が建てられないからと、損害賠償を請求しているというのです。心の中でつぶやきました。『そう来たか、中国電力さん。あなたのやることも汚いのね』と。そして続く福島の女たちを含めさまざまな地域からテントを守る理由と抗議する声をききました。その後のシュプレヒコールを聞きながら、この公判は、もはやテントだけの問題ではなく、さまざまなところで起きているスラップ裁判と市民運動そのものの闘いとなっていると感じ、テント以外の人たちのためにも絶対に負けられない、と思いました。

そうこうしている内に、傍聴券を受け取る時間になり、地裁の敷地内へ。屋根がある駐車場もどきのホールへ細い道を通って集合させられました。私は確か91番?で理由なく傍聴券を手に入れられるような気がしていました。待っている間に通路から入ってくる人の番号が目に入りました。えっ、250番を過ぎている!250人以上の人が集まっているのです。どこから、「全員入れろ」の声が聞こえてきました。『ホントにそうだわ。これだけの人が興味を持って見守っているのだから』と思いながら待っているとコンピュータのくじ引きです。前に進みながら、そっと白板に張り出された番号表を見ると、ありました。確かに私の引いた番号91番です。
地裁の中に入るのに空港にある身体検査機を通り抜け公判の場へ向かいましたが、なかなか見つかりません。廊下の表示のなんと見えにくい表示なのでしょうか。慣れている人しか来ないのでしょう。私は最後まで103号法廷の文字を見つけられませんでした。市民のための裁判所とは、ほど遠いと思います。時間5分前、やっと部屋を見つけ席を確保しました。完全方向音痴の私だからと思っていたのですが、どうやら、やっと見つけたのは私だけではなかったと申し上げておきましょう。

■東京地裁103号法廷で裁判始まる
・裁判所側:村上正敏裁判長と右陪審、左陪審とも男性。
・原告代理人(国)11人 
・被告代理人(テント)13人
○14:00。裁判官席を真ん中にして、左側に原告代理人席、右側に被告代理人席。全員着席して始まりました。
開廷の合図がしないのでいつ始まったのか分かりませんでした。が、打ち合わせが始まりました。ノートを準備して待っていましたので慌てなくてよかったのですが、原告代理人の声が小さくてほとんど聞こえません。終わりに、原告側が「早く進めてほしい」と言ったことくらいしかはっきり聞き取れませんでした。

○裁判官席の前で、打ち合わせ、陳述書類などの提出書類の確認。裁判長の「事前陳述がまだなのでまずそこから始めましょう。」という声で始まりました。

・一瀬弁護士の準備書面の陳述。
・大口弁護士の「本日、福島から大勢の傍聴者が来ています。まず渕上より請求却下を求める口頭弁論をし、続いて準備書面の口頭陳述をします。」
・渕上さんの陳述。渕上さんは安倍総理が9月7日の東京オリンピック招致最終プレゼンテーションした際の発言「汚染水はコントロールされ、ブロックされている」発言は虚偽発言であり、高濃度汚染水流失を防ぐ自信を持つ者はどこにもいないこと、福一の事故は継続中であり、収束などしていないこと、その時に再稼働はとんでもないこと、この裁判は福島原発事故に由来し、テントに対する筋違いの訴えであり、取り下げるべきことなど訴えました。(淵上発言中、傍聴席からの声・拍手に対し、裁判長が注意しました。)
・裁判長は、「何度も言っていますが、私も真剣に聞いているので、「合いの手」のような発言は止めてください。」と傍聴人に注意を与えました。神経を使っているのですね。
・次に青木弁護士の『職権乱用である』についての陳述
 1号機の水素爆発に続く3号機の水素爆発は核爆発説があり、原子力規制委員会は原子力国際会議でレベル7を認め、セシューム、ストロンチームなど何種類もの放射線を含んだ崩壊熱を何十年も冷却し続ける必要がある過酷事故であると断定しました。汚染水については水量の詳細に触れながら、山から海へ毎日1千トンの地下水が流れるなかに汚染水が流れ込んでいることを述べた。そして、東電・経産省の対応について批判的な見解をのべ、安倍は「ブロックされている」とウソ発言をし、これには東電も「ありえない」・漁業者も怒っていることを述べました。またこの裁判は訴えの乱用であり、却下しなければならないと明確に主張しました。また海外メディア・諸外国から厳しい目があることを述べた。そして更に、経産省前テントひろばは、いまだ収束していないフクイチ事故の問題を明らかにし、政府が、気がついていない問題があればこれを示唆し、政府が無視しようとする重大問題があれば警鐘を鳴らす場として、政府が施策を行うために必要不可欠な場である。(ささやかな拍手に対して裁判長から再度の厳重注意あり。)テントの存在意義はフクイチ事故を収束させることにあり、この裁判はより良い社会をめざすために訴訟が認められているという本質を無視するものである。本件訴訟は訴訟権の乱用として却下されなければならない、と結びました。
写真 河合弁護士
・河合弁護士は、準備書面の人違い問題を取り上げ、正清氏に対しては訴えを取り下げるべきだと主張しその時の活動の様子を述べて、一瀬弁護士は請求を全て棄却せよ、と結びました。
写真 浅野弁護士 
・浅野弁護士は、被告はこれまで証拠写真につき求釈明を求めてきたが、原告からは未だに真摯・誠実な回答がなく、初めの訴状の内容を変えて新たな主張を出してきている、と詭弁を弄する原告側の主張に真っ向から反対を表明しました。被告側の「映像資料を公開せよ」に対して原告は開示を渋っているわけですが、初めて聞いた声は、「求釈明については回答しない。」でした。
 映像資料の開示に裁判長は、原告側にこの求釈明に対し書式文書で出した方が良いとのアドバイスがあり、原告側は承知しました。そして、次回は11月29日ということになりました。

■原告側の本末転倒の主張
 最後に、原告側代表が、「裁判が長引いているから早く終了してほしい」旨を裁判長に要請しました。それに対して、河合弁護士はすくとたって、「被告人を取り違えるなどという自らのミスで遅延させておきながら、今の原告の発言は聞き捨てならない。求釈明に応じず、引き伸ばしているのはどちらか。被告側に落ち度があるかのような言い方はおかしい。」と応酬しました。ちょっと胸がすきっとした一瞬です。

 気が付いたら15:05で閉廷。原告側のことばを私が聞いたのはたった2回でした。原告団は本当にテントへの「土地明け渡し訴訟」をヤル気があるのかなあ、という感じでした。

■傍聴後記
この裁判について改めて考えてみました。被告人を明らかに間違って特定しているのに、取り下げず継続しているということは、原告側のメンツの問題だけではないだろう。  では、目的は何でしょう。それは、被告側の疲弊と権利要求することへの躊躇と諦めのトラウマを産みつけることにつきるのではないでしょうか。スラップ裁判 は、威圧訴訟、恫喝訴訟と訳されていることからも分かります。祝島・上関・沖縄の報告を聞いても、中国電力や国側の態度はスラップそのものです。そして、瓦礫焼却問題やジャーナリストが、放送局が、そして教育分野にまでスラップ訴訟は広がっています。
カルフォニア州では反スラップ法を制定して禁止をしていますし、その他の州や世界の国でも禁止する国が増加しているとのことです。私たち市民は、まず、それぞれの地域と連携してこれらの裁判を乗り切りましょう。そろそろ日本も真の法治国家にしないといけないと思います。

(報告:アイアラック 写真:あれこれ屋)

ⅰ)スラップ(SLAPP, Strategic Lawsuit Against Public Participation、威圧訴訟、恫喝訴訟。直訳では「対公共関係戦略的法務」)。ジョージ・W・プリングとペネロペ・キャナン(両人ともデンバー大学教授)は、成立し得る基準として以下の四要素が含まれる事を挙げている。
・提訴や告発など、政府・自治体などが権力を発動するよう働きかけること
・が民事訴訟の形を取ること
・巨大企業・政府・地方公共団体が原告になり、個人や民間団体を被告として提訴されること
・公共の利益や社会的意義にかかわる重要な問題を争点としていること

テント裁判 第3回口頭弁論の報告

●9月12日(木)午後、脱原発テントと命守る裁判の第3回口頭弁論が開かれました。
当日は前回と同じように、13時に東京地裁前に集合。約20分間集会を行いました。

乱気流
▲乱鬼龍さんの川柳のぼり旗

須賀川市からの女性
▲福島県須賀川市から参加した女性

須賀川市からはじめて参加した女性は次のように言いました。
「原発事故のために仕事も失い、怒りがこみ上げてくる。原発ゼロを目指す須賀川行動を毎週日曜日に1時間やっている。15人前後で原発反対を訴え続けている。みなさんと再稼働反対で一緒にやっていきたい。」

裁場所前岡田さん
▲上関原発建設反対の岡田さん

上関原発建設に反対して、スラップ訴訟の損害賠償で訴えられた岡田さんの発言です。
「2009年、上関原発建設中止を求めてカヤックに乗って反対した。中国電力は漁師さん、祝島町民と僕らの4人に4800万円の損害賠償の訴訟をしてきた。祝島の人たちは40年反対してきている。こうしたスラップ訴訟が最近になって行われてきている。中国電力が住民を訴えるなんて本当におかしい。裁判は4年にもなる。経産省前テントに対して国が訴えるのも本当におかしい。司法がそういう裁判を受理していること自体が間違っていると思う。僕たちも山口でしっかりと闘って行きたい。現地の生活を守る闘い、表現の自由を守る闘いとして勝ち抜いていきたい。」

その後、13時30分締め切りの傍聴抽選に並びました。

傍聴抽選に向かう
▲傍聴
 
●裁判の内容については別途報告 

●裁判がおわってから、参議院議員会館・行動で報告集会が行われました。
神田香織さん(講談師)が司会

司会の神田さん
▲神田香織さん

神田さんは冒頭に神田さんが講談でやっている「はだしのゲン」が松江市の図書館や学校で非公開(閉架)にされたことを糾弾しました。
そして、オリンピック招致での安倍発言を、「講釈師見て来たようにウソを言いという言葉があるが、講釈師顔負けだ」と批判しました。“お・も・て・な・し”に対して、ふるさといわきの“へ・で・な・し”(とんでもない)という言葉を返したいと言われました。
そんな中でテントひろばはいかに大切か。裁判を傍聴したら、弁護士たちがいいことを言う。それに思わず拍手などしたら、裁判長は「そういうことをしないでください。合いの手をうつところじゃないんでいす」と言った。そうやった方が流れがいいように思うんですがねとユーモアたっぷりに批判した。被告の名前をとりちがえるなんてありえないことも、芸人が名前を取り違えられたどうすると楽しく揶揄しました。

参院議員会館全体
▲会場全体

浅野弁護士
▲浅野弁護士

Image2渡辺
▲渡辺ミヨ子さん(動画より)

岡田さん
▲神田さんと岡田さん(レーバーネットより)

(報告・写真:あれこれ屋)
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プロフィール

原発いらない女たちのテントひろば

Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

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