原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

強制捜査はまだか!! ~告訴受理から1年を迎えて~ いわき報告1

本ブログ7月30日付けでご案内した「強制捜査はまだか!! ~告訴受理から1年を迎えて~」の集会が8月4日(日)いわき市文化センター大ホールで行われました。会場には県内はもとより広く各地から300名を超える人が集まりました。プログラムは以下のとおりです。進行役は人見やよいさん。
録画:https://www.youtube.com/watch?v=BN62JA4haq0


プログラム (文末の数字は録画の開始時刻)
団長 武藤類子さん 挨拶・この1年間を振り返るスライドショー 0:01:59

武藤類子さん
▲武藤類子さん

「皆さん、暑い中をありがとうございます。時がたつのは早いもので、第一次告訴から1年の月日が流れました。その日のことをわたしはとてもよく覚えています。その日は福島市で開かれた「原発政策に対する意見聴取の会」に出ていました。選ばれた30人の県民のほとんどは原発をなくしたいと次々に述べていました。
あれから、たった1年、政権が替わり、原発の再稼働、海外への輸出と、まるで事故などなかったような、そんな有様に驚きます。検察は100人以上の人々から事情聴取をしたと報道などから聞こえてきますが、わたしたちが何度も訴え続けている強制捜査は未だに行われていません。原発事故から2年5ヶ月、わたしたちの被害は続き、さらに拡大しています。原子炉からは空へ海へ放射能が放出され続けています。汚染水はたまり続け、高濃度の汚染水が海へ漏れ出していたことを、東電はようやく認めました。原発や除染作業員たちのおびただしい被ばく、危険手当の不払い、荒れ果てる警戒区域、帰れない故郷の一方で、区域の再編による帰還政策、積み上げられた除染による放射性物質、住民の意向を無視するかのような焼却施設が次々と造られようとしています。
正当な賠償はされず、自主避難者の県外支援は打ち切られ、福島へ戻るしかない人も沢山います。新聞報道ではまたもや、起訴はむずかしいなどの記事が流布されています。しかし、このような甚大な被害を前に、東京電力や国の犯罪性は明確です。わたしたちは強制捜査と起訴を強く求めるために、1年目の今日、再びここで集まっています。民主主義の仕組みのもとに、この巨大犯罪が明確にされ、正しく裁かれるように、祈るような気もちで集まっています。

今日は皆さんに告訴団の新しい活動を紹介します。今回の告訴・告発に際して全国の皆さんから7000通の陳述書を頂いています。その1つひとつには多くの悲しみと怒りが溢れています。この陳述書を本にすることにし、作業を進めて来ました。この事故が風化して忘れられていくような今、この事故がどのようなものだったのか、何をもたらし、何を奪ったのかを心に刻んでおくことが必要だと思います。本来は検察に出されたものですが、たくさんの人々に読んでいただきたく、書籍化に踏み切ました。本当なら、承諾をいただいた全員の方の陳述書を取りあげたいのですが、諸般の事情から、福島県民50名の方を選ばせていただきました。8月末にブックレットの形で刊行します。(株)金曜日よりの出版です。落合恵子さんが「まえがき」を書いてくださいました。ご期待ください。
福島で被ばく対応の努力をしながら暮らす人も、福島の地に遠くからお出でくださった方々も、今日一日、共に過ごし、共につながりを確かめ合いましょう。そして力を合わせて、この事故の責任を追及していきましょう。どんな時代にあっても、どんな状況にあっても、暗闇に光るホタルのように生きていきましょう。

広瀬隆さんゲストスピーチ「ゴーストタウン2013年7月の惨状」0:07:34

広瀬隆さん
▲広瀬隆さん

広瀬さんは先月、広河隆一さん(DAYS JAPAN 編集長)、藤田祐幸さん(物理学者)とともに福島で一番の危険地帯を調査してきた報告をしてくださった(パワーポイント使用)。
「滞在に制限時間があるということは危険だということ、そこに長くいられないということなんです」。「車で広野町から楢葉、富岡、大熊、双葉町、浪江町と30キロ圏内を走った」。「東京で言うと、東京駅から立川、横浜、千葉、さいたまをつないだ圏内が廃墟になっているんです」。
日本全土で余り汚染していない地域の平均的な空間線量は毎時0.02-0.05µSvくらいであり、1µSvあれば危険である。双葉町農村広場55µSv、大熊町広域避難場所320µSvなど、訪れた各地での計測値をあげながら、それがチェルノブイリ原発事故の汚染地帯と比較しても、ずっと高い線量であることを指摘。
「今年4月に『チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)という翻訳書が出た。わたしは2年前から英文で読んでいたが、その中で30kmゾーンに関する数字は日本では関係ないと思って読み飛ばしていた。しかし、今の日本の状況はそれを上回るものになっている」。
(山下俊一の発言を引用して)「許せない!! 許すべきではない。関わった人間すべて。地検はなぜ強制捜査をしないのか」
安倍内閣の日本政府はこの町に住民を帰還させようとしている。正気ではない。それが現在の国会議員たちだ!! ここに住まわせるべきだ」。
「ゴーストタウンを作った、このこと自体がもう犯罪ですよ!住んでいた人達を追い出した」。「何で鮫川で焼却をしますか。この上にまた、放射能を降らせますか。許されないですよ。ともかくみんなで地検をつるしあげたいと思います」という怒りのこもった言葉で結ばれた。
 広瀬さんたちの調査の詳しい報告は8月20日発売の「DAYS JAPAN」9月号に発表されるそうです。

河合弘之弁護士からの報告 0:29:15

河合弁護士
▲河合弘之弁護士

 「こんな赤いシャツを着てますけど、一応、弁護士です(笑)。
広瀬さんのお話にあったように、今、日本の国土が大きく喪失しているという状態です。放射能に高度に汚染された部分は外国に侵略された状態よりも悪い状態だと思います。外国に侵略されたら、交渉ごとやいろんな圧力によってどけることが出来ますけど、放射能はどけられません。その部分はボコッと陥没して使えないのと同じ状態、それも永久に使えないような状態になってきていると思います。単に国土の問題ではなく、そこに住んでいた人達に大変な不幸をもたらしている、ということは皆さん、本当に怒りをもって感じていらっしゃることだと思います。職を失い、家族が別れ別れになり、コミュニティが崩壊し、しなくてもいい選択を毎日まいにちさせられながら生きている皆さんをお気の毒だと思うし、怒りをもって共感します。
 こんなことにしたのは誰か、一次的に言えば、東京電力であるし、東京電力の役員、そしてそれにからめとられて言いなりになっていた経産省の役人たち、言いなりになっていただけではなく、一緒に原発を推進してきた。そういう人たちの責任を問わなくていいのか、という我々の怒りが去年、集団告訴・告発という形で現れました。第二次世界大戦以後、最大の国難、最大の公害事故、最大の被害を起こしておきながら、誰も刑事処罰を受けていない、これは非常に奇妙なことです。
雪印のことを考えてください。ちょっと使用期限を過ぎた牛乳を出して下痢をした人がいた。それで強制捜査、逮捕、起訴。オリンパスの事件でもそうです。事故が発覚したら、すぐに強制捜査が入って、逮捕、起訴。それに比べて、福島の事故って、どれ位の被害なのか。それらの何百万倍もの被害を国民や国に与えているじゃないですか。だけど、その人たちの責任はいまだに問われていない。わたしたちがこの刑事告訴をしなかったら、もうみんな、ほっかむりをして終わりだったんですよ。
 僕らがこれだけヤンヤ言っても、強制捜査に着手しない検察や警察が、僕たちが黙っていたらどうなっていると思いますか?今頃、完全に事件は忘れ去られています。我々はそういう権力側に石を投げ込んだ。鎮まろうとしている大きな澱んだ池にわたしたちは大きな石をボーンと1年前に投げ込んだ。それだけでも、すでに成果があったとわたしは思っています。また、そのように考えていいと思います。

 検察は始めっから、告訴なんか起きなきゃいいな、と思っていたんです。そこに我々はドーンと石を投げ込んだ。そして権力に対して、喉に大きな骨を刺したんです。
さぁ、この骨がどうなるか。今、正念場に来ています。しかし、検察は権力の内部のかばい合いをして非常に消極的です。国策に協力した、その間に事故が起きたんだから、しょうがないよね、刑事事件にはならないよね、というのが、基本的に検察官の考えのように思われます。
わたしたちは何回も何回も、福島地検にも東京地検にも通いましたけど、検察官はわたしたちに非常に慇懃には対応しますが、基本的にはそういう立場を崩しません。
 しかし、これだけの被害を国民に与えておいて、それも肉体的、精神的、経済的、全人格的被害を与えておきながら、何も刑罰を受けないということは、たとえば、第二次世界大戦におけるA級戦犯の人たちが何も刑罰を受けないで、そのまま社会で自由に歩き回っているのと同じことです。あの第二次世界大戦のときには幸か不幸か、連合軍が極東裁判というのをやって、A級戦犯を罰しました。しかし、あれがなかったら日本人は、自国の権力を用いて戦争犯罪人を処罰できただろうか。わたしは多分、できなかっただろうと思います。日本はそういう国です。自浄作用が出来ない国、ほっておけば、なぁなぁでうやむやに済ましちゃう国です。
だから、わたしたちはそういうことは許さないということで、この刑事告訴をした、ということは皆さんも各々、わかっていらっしゃることだと思います。そうは言いながらも、ある程度情勢は動いています。東電がやや方針を変えたからです。

今までは全く予想出来ない、想定出来ない地震と津波が来たのだから、自分たちには全く責任がないという立場をとっていました。東京電力の事故調の報告書はそれに終始しています。
ところが、去年の11月および今年3月に出た東京電力のタスクフォースの報告書は、ある程度、予測することが可能だった、それに対して対策をとらなかったことを反省すると言い出しました。これはきちんと公文書に出ていることですし、皆さんも確認することができます。
わたしたちは、そのタスクフォースの報告書を東京地検に出しました。「東京電力でさえ、過失を認めているんだ、犯人でさえ過失を認めているのに、なんで逮捕しないんだ!」ということを、わたしたちは強く言いました(拍手)。
では、タスクフォースの反省を額面通りに受け取っていいか、というとちょっと問題があります。なぜ、東京電力はそういう方針を変えたか。いままでは旧原子力経営陣を丸抱えで自己弁護していたのですけれども、ある程度、切り離しにかかった。それは一種のトカゲのしっぽ切りです。それはなんのためか。柏崎刈羽を再稼働するためです。俺たちは何も悪くなかった。福島原発の事故はしょうがなかったんだ。だけど、柏崎刈羽は再稼働させてくれ。それじゃ通らないということを彼らは考えたんですね。だからいったん反省してみせる。福島第一原発については、やはり足りないところがあった。よく事故分析もしてみた、反省もした、改善もした。柏崎刈羽では改善もしている。だから再稼働させてください、という論理以外に柏崎刈羽を再稼働させる道はないし、柏崎刈羽を再稼働しなければ、会社として存続する道はない、という風に彼らは見切った。
 そういう意味ではわたしたちに情勢は有利に進んでいる。それにもかかわらず、最近の新聞報道によれば、8月中旬か下旬には不起訴の処分が出そうだという風になっています。東京電力自身が組織として過失があったことをほぼ認めているのに、どういう理由で不起訴にしようとしているのかな、と言うのが、わたしは正直、疑問に思います。

報道なんかでは非常に単純な内容で、(津波は)15.7mという予測が部内であったけれども、それはまだ試算の段階だから、しようがない、それに対して、例えば16mの防潮堤を築くには大変なお金、記録によれば数百億円と書いてあります。多分、16mの防潮堤を十分な長さ築くには2000億円ぐらいかかると思います。浜岡原発の例でもすでに1500億くらい、かかっている。2000億かけるというのはムリな注文だという形で、不起訴になるんではないか、不起訴になってもしようがないよね、という大新聞の記事が出ている訳です。
 わたしたちはそれに対して、もうすでに福島地検、東京地検に反論を出してあります。防潮堤を築くのが大変だったら、ほかにもお金もかからず、期間もかからない対策がいくらでもあるでしょ、と。
 たとえば、外部電源が喪失したから、あの事故が始まった。鉄塔が倒れないようにしておくだけでも、あの事故の第一歩はなくなった、第一歩がなくなったということは、その後の展開はなかったんです。鉄塔とか、電線をきちんと強化しておくこと、皆さん、ご存知のように非常用ディーゼル発電機が同じ場所に2台あって、同時に冠水して同時にアウトになった、という非常にバカげた話がありますよね。ああいうことは当然、予想出来るんだから、2台を離して置いておく。それはそんなにお金のかかることではない。2台を両方とも高いところにあげておく。これもそんなに大してお金のかかることではありません。電気を外から受ける受電盤、それが水没してアウトになったわけですが、そこをきちんと防水加工しておくことは、そんなにお金のかかることじゃない。
 あれもやればよかった、これもやればよかったということはいくらでもある。ところが東京電力は何一つ、それをしなかったんです。だからそういう俗論には説得力がないんですよ、ということを東京電力、地検に言ってあります。そういうことを乗り越えて、不起訴にするならしてみろ!もし、そんなことをしたら、わたしたちは絶対に検察審議会に申し立てをして、何回でも申し立てをして、強制起訴にこぎつけるぞ、ということまで検察官に言ってあります(拍手)。
告訴をする前とした後に、被害をきちんと目でもう一回見ておきたいということで、飯館村に行ってきました。村の役場前にお地蔵さんが置いてあります。お地蔵さんの頭をさわると、村民歌が流れます、と書いてある。頭をなでると、少年少女合唱団の美しい二部合唱が流れてきました今からその歌を歌います(0:45:24 河合先生の美声が流れます)。
飯館村はみんなで力を合わせて、成功していた素晴らしい村だったんです。それがたった3日でああいう状態になってしまった。この歌を聞き、僕の背丈よりも高い草ぼうぼうになった畑や田んぼを見たときに、東京電力はこれをどうやって償うんだと思いました。それにはやっぱりそれだけの罪を受けていただくしかない。それでも償うことはできないけれど、こんなことにしてしまった東京電力の役員をこのまま放置しておくということは、ホントに正義に反すると思いました(拍手)。
 わたしたちはこの正義を貫くことから日本中の原発をなくしていくまで、闘いを今日も明日もずっと続けなければいけません(拍手)。東京地検、福島地検が我々の意に沿う処置を簡単にしてくれるとは思いません。それは勝ち取るしかないんです。勝つまで戦うしかないんです。わたしたちは絶対、負けることはありません。勝つまで戦う、こういう決意でこれからの闘いをさらに強化して行きたいと、皆さんと共にお誓いをしたいと思います。ありがとうございました。
(続く)
(まとめ:あっきい 写真:nomorefukushima2011さんの録画より)

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
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