原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

9.12.テント裁判第3回口頭弁論 傍聴報告 被告人取り違えのこんな裁判やる必要あるの?

■今日は傍聴券が当たった!
この日はよく晴れて最後まで日差しが強い一日でした。13時頃に東京地裁前に到着。すでに、人々は集まっていて、まさに抗議集会が始まろうとしていました。顔見知りの人が何人もいてなんか一安心。そのうち、裁判記録を取るように依頼されて、できるかなと思いつつ引き受けていました。

裁判所前抗議行動・黒田さん発言
▲抗議集会

○スラップ訴訟が広がっている!
この裁判前の抗議集会で、新たな事実を知りました。スラップ裁判が広がっているという事なのです。原発のないはずの祝島で何と、電力会社が、反対運動の中心となっていると三人の個人を特定し、原発が建てられないからと、損害賠償を請求しているというのです。心の中でつぶやきました。『そう来たか、中国電力さん。あなたのやることも汚いのね』と。そして続く福島の女たちを含めさまざまな地域からテントを守る理由と抗議する声をききました。その後のシュプレヒコールを聞きながら、この公判は、もはやテントだけの問題ではなく、さまざまなところで起きているスラップ裁判と市民運動そのものの闘いとなっていると感じ、テント以外の人たちのためにも絶対に負けられない、と思いました。

そうこうしている内に、傍聴券を受け取る時間になり、地裁の敷地内へ。屋根がある駐車場もどきのホールへ細い道を通って集合させられました。私は確か91番?で理由なく傍聴券を手に入れられるような気がしていました。待っている間に通路から入ってくる人の番号が目に入りました。えっ、250番を過ぎている!250人以上の人が集まっているのです。どこから、「全員入れろ」の声が聞こえてきました。『ホントにそうだわ。これだけの人が興味を持って見守っているのだから』と思いながら待っているとコンピュータのくじ引きです。前に進みながら、そっと白板に張り出された番号表を見ると、ありました。確かに私の引いた番号91番です。
地裁の中に入るのに空港にある身体検査機を通り抜け公判の場へ向かいましたが、なかなか見つかりません。廊下の表示のなんと見えにくい表示なのでしょうか。慣れている人しか来ないのでしょう。私は最後まで103号法廷の文字を見つけられませんでした。市民のための裁判所とは、ほど遠いと思います。時間5分前、やっと部屋を見つけ席を確保しました。完全方向音痴の私だからと思っていたのですが、どうやら、やっと見つけたのは私だけではなかったと申し上げておきましょう。

■東京地裁103号法廷で裁判始まる
・裁判所側:村上正敏裁判長と右陪審、左陪審とも男性。
・原告代理人(国)11人 
・被告代理人(テント)13人
○14:00。裁判官席を真ん中にして、左側に原告代理人席、右側に被告代理人席。全員着席して始まりました。
開廷の合図がしないのでいつ始まったのか分かりませんでした。が、打ち合わせが始まりました。ノートを準備して待っていましたので慌てなくてよかったのですが、原告代理人の声が小さくてほとんど聞こえません。終わりに、原告側が「早く進めてほしい」と言ったことくらいしかはっきり聞き取れませんでした。

○裁判官席の前で、打ち合わせ、陳述書類などの提出書類の確認。裁判長の「事前陳述がまだなのでまずそこから始めましょう。」という声で始まりました。

・一瀬弁護士の準備書面の陳述。
・大口弁護士の「本日、福島から大勢の傍聴者が来ています。まず渕上より請求却下を求める口頭弁論をし、続いて準備書面の口頭陳述をします。」
・渕上さんの陳述。渕上さんは安倍総理が9月7日の東京オリンピック招致最終プレゼンテーションした際の発言「汚染水はコントロールされ、ブロックされている」発言は虚偽発言であり、高濃度汚染水流失を防ぐ自信を持つ者はどこにもいないこと、福一の事故は継続中であり、収束などしていないこと、その時に再稼働はとんでもないこと、この裁判は福島原発事故に由来し、テントに対する筋違いの訴えであり、取り下げるべきことなど訴えました。(淵上発言中、傍聴席からの声・拍手に対し、裁判長が注意しました。)
・裁判長は、「何度も言っていますが、私も真剣に聞いているので、「合いの手」のような発言は止めてください。」と傍聴人に注意を与えました。神経を使っているのですね。
・次に青木弁護士の『職権乱用である』についての陳述
 1号機の水素爆発に続く3号機の水素爆発は核爆発説があり、原子力規制委員会は原子力国際会議でレベル7を認め、セシューム、ストロンチームなど何種類もの放射線を含んだ崩壊熱を何十年も冷却し続ける必要がある過酷事故であると断定しました。汚染水については水量の詳細に触れながら、山から海へ毎日1千トンの地下水が流れるなかに汚染水が流れ込んでいることを述べた。そして、東電・経産省の対応について批判的な見解をのべ、安倍は「ブロックされている」とウソ発言をし、これには東電も「ありえない」・漁業者も怒っていることを述べました。またこの裁判は訴えの乱用であり、却下しなければならないと明確に主張しました。また海外メディア・諸外国から厳しい目があることを述べた。そして更に、経産省前テントひろばは、いまだ収束していないフクイチ事故の問題を明らかにし、政府が、気がついていない問題があればこれを示唆し、政府が無視しようとする重大問題があれば警鐘を鳴らす場として、政府が施策を行うために必要不可欠な場である。(ささやかな拍手に対して裁判長から再度の厳重注意あり。)テントの存在意義はフクイチ事故を収束させることにあり、この裁判はより良い社会をめざすために訴訟が認められているという本質を無視するものである。本件訴訟は訴訟権の乱用として却下されなければならない、と結びました。
写真 河合弁護士
・河合弁護士は、準備書面の人違い問題を取り上げ、正清氏に対しては訴えを取り下げるべきだと主張しその時の活動の様子を述べて、一瀬弁護士は請求を全て棄却せよ、と結びました。
写真 浅野弁護士 
・浅野弁護士は、被告はこれまで証拠写真につき求釈明を求めてきたが、原告からは未だに真摯・誠実な回答がなく、初めの訴状の内容を変えて新たな主張を出してきている、と詭弁を弄する原告側の主張に真っ向から反対を表明しました。被告側の「映像資料を公開せよ」に対して原告は開示を渋っているわけですが、初めて聞いた声は、「求釈明については回答しない。」でした。
 映像資料の開示に裁判長は、原告側にこの求釈明に対し書式文書で出した方が良いとのアドバイスがあり、原告側は承知しました。そして、次回は11月29日ということになりました。

■原告側の本末転倒の主張
 最後に、原告側代表が、「裁判が長引いているから早く終了してほしい」旨を裁判長に要請しました。それに対して、河合弁護士はすくとたって、「被告人を取り違えるなどという自らのミスで遅延させておきながら、今の原告の発言は聞き捨てならない。求釈明に応じず、引き伸ばしているのはどちらか。被告側に落ち度があるかのような言い方はおかしい。」と応酬しました。ちょっと胸がすきっとした一瞬です。

 気が付いたら15:05で閉廷。原告側のことばを私が聞いたのはたった2回でした。原告団は本当にテントへの「土地明け渡し訴訟」をヤル気があるのかなあ、という感じでした。

■傍聴後記
この裁判について改めて考えてみました。被告人を明らかに間違って特定しているのに、取り下げず継続しているということは、原告側のメンツの問題だけではないだろう。  では、目的は何でしょう。それは、被告側の疲弊と権利要求することへの躊躇と諦めのトラウマを産みつけることにつきるのではないでしょうか。スラップ裁判 は、威圧訴訟、恫喝訴訟と訳されていることからも分かります。祝島・上関・沖縄の報告を聞いても、中国電力や国側の態度はスラップそのものです。そして、瓦礫焼却問題やジャーナリストが、放送局が、そして教育分野にまでスラップ訴訟は広がっています。
カルフォニア州では反スラップ法を制定して禁止をしていますし、その他の州や世界の国でも禁止する国が増加しているとのことです。私たち市民は、まず、それぞれの地域と連携してこれらの裁判を乗り切りましょう。そろそろ日本も真の法治国家にしないといけないと思います。

(報告:アイアラック 写真:あれこれ屋)

ⅰ)スラップ(SLAPP, Strategic Lawsuit Against Public Participation、威圧訴訟、恫喝訴訟。直訳では「対公共関係戦略的法務」)。ジョージ・W・プリングとペネロペ・キャナン(両人ともデンバー大学教授)は、成立し得る基準として以下の四要素が含まれる事を挙げている。
・提訴や告発など、政府・自治体などが権力を発動するよう働きかけること
・が民事訴訟の形を取ること
・巨大企業・政府・地方公共団体が原告になり、個人や民間団体を被告として提訴されること
・公共の利益や社会的意義にかかわる重要な問題を争点としていること

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

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