原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

「国連・人権勧告の実現を!~すべての人に尊厳と人権を~」

2013年12月14日、明治大学リバティタワー6F1063号室にて18:45から「国連・人権勧告の実現を! ―すべての人に尊厳と人権をー」が「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会によって開催されました。

近年、日本の人権状況について国連の人権条約機関から相次いで勧告が出されているが、日本政府は、人権条約の国内への適用に真剣に取り組んでいない。2013年も、社会権規約委員会と拷問禁止委員会から勧告が出たが、安倍内閣は拷問禁止委員会の勧告に関する質問主意書に対して「(勧告は)法的拘束力を持つものではなく、締約国に従うことを義務付けているものではない」とする答弁書を6月に閣議決定した。人権問題が改善されるどころか、むしろ後退している現状の中で、人権課題に取り組んでいる各団体で「『国連・人権勧告の実現を!』実行委員会」を立ち上げ、この集会が開かれました。会場いっぱいの200余名の参加者がありました。

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集会の柱は2本、

1)社会権規約委員会と拷問禁止委員会で勧告が出た人権課題に取り組んでいる各団体からの報告
2)今後日本政府に勧告を実施させるには何が問題なのか

について話されました。

この集会の録画は実行委員会のHPからみることが出来ます。


http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/

*発言者名の前に発言の始まり時刻を( )内で示しています。

(1:13:50)ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子さんからは、国連「健康に対する権利」特別報告者のアナンド・グローバーさんから福島原発事故後の人権状況に関する事実調査報告と、日本政府に対する勧告が5月27日に出されたことが報告されました。

勧告の内容:「20mSv」を避難基準としている日本政府に対し、「避難地域・公衆の被ばく限度を、科学的な証拠に基づき、リスク対経済効果の立場ではなく、人権に基礎をおいて、年間1mSv以下に低減するよう」求め、「年間被ばく線量1mSv以下及び可能な限り低くならない限り、帰還を推奨されるべきでない」とした。

また、現在の県民健康管理調査では不十分で、年間1mSv以上の地域の全住民と全原発労働者に長期的・包括的な健康検査をすること、子どもには甲状腺検査に限らず尿、血液など関連するすべての検査をすることを勧告した。

原発、エネルギー問題などの全ての意思決定プロセスに住民が参加する仕組みを作るようにすることも勧告した。

社会権規約委員会も、日本政府にグローバーさんの勧告に従うよう求めた。

(0:44:45)在日本朝鮮人人権協会の宋恵淑(ソン・ヘス)さんから、朝鮮学校無償化排除問題について次のような報告がありました。

「朝鮮学校が、高校授業料無償化プログラムから排除されているのは差別である。日本政府は朝鮮学校の子供たちにも適用すべきである」との勧告が4月の第3回社会権規約委員会から出された。2010年から人種差別撤廃委員会や、子どもの権利委員会、今回とオモニ代表団で訴えてきて成果をあげている。しかし、今回の勧告に対して、下村文科

大臣は5月に「朝鮮学校以外の高校に在学する在日朝鮮人は現行制度の対象になっているから差別ではない。朝鮮高校が、学校教育法1条化すれば済む話だ。社会権規約委員会の指摘は、日本の状況をよく理解していない中での見解だ」と反論している。

(0:54:43)市民外交センターの上村英明さんから「『沖縄・アイヌ問題』について1987年より自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会から様々な勧告が出ている。しかし、日本政府はアイヌ問題には文化政策のみ、沖縄に基地が集中しているのは地理的な位置が原因として片づけている」。「日本という国は国内に公正さを広げるシステムを持っていないことが一番大事な問題である」と話されました。

(1:25:35)女たちの戦争と平和資料館wamの渡辺美奈さんからは、日本軍『慰安婦』問題について、詳細な資料とともに次のような報告がありました。

1994年の女性差別撤廃委員会の勧告を皮切りに、国連人権機関からの度重なる勧告、特別報告官の勧告などが出ているが、問題は解決しないどころか、高齢の被害者が次々と亡くなっていく中で、橋下発言のように、事実を歪曲して被害者を傷つける発言が相次いでいる。このような日本の状況に対して、社会権規約委員会と拷問禁止委員会は日本政府に対して、「政府当局者や公的人物による繰り返される事実の否定で被害者が再び傷つけられないように」「彼女らをおとしめるヘイトスピーチや示威行動に反駁すること」、「そのために公衆を教育し、あらゆる歴史教科書にこの事実をのせること」を勧告した。また法的責任を認め、被害者に賠償することも勧告した。

2本目の柱として、山梨学院大学教授荒牧重人さん「国連人権勧告と日本」(基調講演、04:25)人権共同行動事務局長の寺中誠さんから「国際社会から見た日本の人権状況」(1:04:40)と題して話がありました。

日本国憲法第98条第2項は、日本が締結した条約について「誠実に遵守すること」を国に義務づけている。条約遵守義務を負っている以上、条約締約国には、関連するガイドラインや勧告を含めて、人権基準全体の実現に向けて努力するべき義務がある。

条約の国内実施のためのカギとなる制度に国内人権機関の設置がある。国内人権機関は、実際に行政を担う政府機関とは別の立場で、国際条約を実施するという観点から国内の状況に対して具体的提言を行う機関であるから、行政機関から組織的、財政的に独立していることが最重要である。しかし、日本の人権擁護政策の担当官庁は法務省で、実際の行政を担う機関であり独立性がない。

人権条約の勧告を実現させる取組みは、日本国憲法と人権条約をつなぎ、人権を基盤とする社会づくりをすすめる鍵になる。

最後に、1月25日の「国連人権勧告の実現!」の集会(代々木公園野外ステージ13時30分~)とデモ(15時出発)の行動提起がありました。

(報告・きふね順、 写真:実行委員会のHPからお借りしました)

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
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