原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

第5回テント裁判(その3) 裁判傍聴記

■第5回脱原発テント裁判 「やっぱりスラップ裁判・されどスラップ裁判」
今回は、裁判所法廷内と被告団・原告団の様子を中心に、報告しましょう。
少し不確かなところがあるかもしれませんが、よろしくお願い致します。

■裁判所敷地から法廷までの道のりは長い
前回と同じ103法廷なので、入口を背にして左を曲がる。あれ、表示がない?右?もう一つ先?前回と同じなのに迷った?普通は市民が来ないところなのだと痛感しました。でも、この間と違うことが起こりました。

腕章をまいた職員が出てきて、「103号法廷に行かれる方ですね。こちらです。」と案内をしたのです。その間、1分足らず!案内された法廷103号室に入る前に、私たち傍聴人は、すぐ横(手前?) にある待ち合室に通されました。「45分ごろには中に入っていただけますので、少しここでお待ちください。」と言われた所には、なかなか座り心地の良い木の長椅子がありました。
その時、私は見つけました。かわいい案内が目の前の壁に張り付いていました。そこに「本日の裁判」について書いてありました。
「土地明け渡し請求事件」平成25年(ワ)第8000号。1400-1500。被告:正清太一他、 裁判長:村上正敏、橋爪深、伊藤健太郎、田中あゆみ。
少なからず驚いたのは『事件』ということば!強盗事件と同じ事件。冷静になって考えてみれば、そう事件なのです。間の抜けた「土地明け渡せ」スラップ裁判事件なのです。

入廷開始13:45 
傍聴人は「どうぞ」という声でぞろぞろ入廷を始めました。13:54 原告弁護団総勢12名が入廷、落ち着いているのか、冷めているのか、静かに座りました。そのうち、田中裁判官?(書記官だと思っていたのです)が、原告団の弁護士と3㎝もあろうかという厚い書類に署名を求めていました。数分遅れて、被告弁護団が三々五々と総勢13名入廷。選挙後ということがあるのだろうか。原告団と違って、何かざわついている感じがしました。原告弁護団とちょっと対照的です。もう一つ対照的なことは、両弁護団の年代のギャップです。原告の経済産業省側は、まあ若い。平均年齢は、被告弁護団の2分の一くらい?倍も生きている人間の機微が理解できるのかなあ、と頭をかすめました。

法廷開始14:00
裁判長3名、入廷し一番高い位置にあるところに座る。どうも、田中裁判官が、小さい声で、「開廷します」って言っているようですが、私には聞こえません。村上裁判長は、前回と同じ、神経質そうで、今日はプラス機嫌も悪そうな顔つきです。

被告側の陳述開始14:05(内容については、其の1を参照のこと)
 正清さんの陳述、東電は認めざるをえなかったストロンチュームを含む汚染水漏れ、如何に福島第一原発の事故が未だに被害をもたらし収束をしていないか、安倍政権のウソ、東電の隠ぺいを訴え、それらを明らかし意見を言う旗印であると、北海道から沖縄まで、基地と原発の反対の原点となっているのが、テントの存在意義であると訴えた。そして、880日を超えて存続しているテントは、この厳寒の中、命がけで反対運動をしている。

続いて渕上さんの陳述
テントの土地明け渡しのみの裁判をするべきではない。問題は、正当な公正な議論を欠いている政府姿勢にあると。新エネルギー計画、パブリックコメント、都知事選、審査会など、脱原発世論などを政治的なものの見方をしているが、命の問題であり、原発の経済性、安定供給源、CO2排出など、環境と経済性の問題でもあり、安倍政権の発言は国民の意見を無視するものである等々。
 
 その間、原告団は……左右の裁判官が原告側をそっと見ている。原告団の弁護士や経産省職員?は、真剣に聞いているのだろう、と思いきや、法廷の時計を見たり、裁判長の様子をうかがったり、下をじっと見ていたりと、メモを取っていたのはただ一人、様々に時間をつぶしているのです。様子は、ただ早く終わらないかなあ、っと、テストの時間が余ってしまって、出来が良くないのを気にしながらも、時間が過ぎ去るのを待っている子どもの様子を思い浮かべました。

正清さん、渕上さんの陳述の終盤に拍手がありましたが、案の定、裁判長は厳しく注意をしました。この方が時間の無駄かもしれないと思いつつ、でも、裁判長を味方にしなくてはとも思いました。

この日の裁判の特徴は、いよいよ、「土地明け渡し 占有」をめぐる論戦がはじまったことです。次々に、被告側弁護士・河合、浅野、大口、吉田、上杉、一瀬弁護士たちが陳述。原告側に請求している資料の提出のないことを含め被告側弁護士は鋭く弁論を進めていきます。

○福島原発事故では緊急事態発令を出したままの状態、新エネルギー基本計画の規制と許可を都知事選の混乱に乗じての発表する、パブリックコメントは発表しないなどの職権乱用を重ねている。再稼働の新基準は最高の厳しさというが、これは世界も認める最悪のものであることなどを明確に述べていきます。

○第一テント、第二テント、第三テントは場所も運営も違う。被告の二人は第二テント、第三テントとには関係ない。
○第一テントの占有を被告二人がしているとしても2人だけではない。実際、経産省は「テント撤去の仮処分申請」の時は17名の名前を挙げていたのに、本件訴状では二人のみを占有者にしていると、事実と異なるずさんさを指摘し、再度、テント前の2本のビデオカメラの全写真の提出を求めました。これは前回も同様に請求したが、提出されていないのです。
○証拠に基づいて2人だけが被告とされることが明らかにならないと訴訟が成り立たない。
○そして、最後の方で、上杉弁護士(ただ一人の女性の弁護士さん)は、ニューヨークのウォール街で行われたオキュパイ行動に言及し、スピーカーズ・コーナー(注)について言及しました。これは新しい視点でテントの土地占有を述べています。スピーカーズ・コーナーは、英国ロンドンのハイド・パークに発祥を求めることができます。が、ウォール街が占拠されたときに、そのスピーカーズ・コーナーがあり、自由の表現を、表現の自由を明らかにするため公的な場所と認められたというのです。その役目をテントは果たしているというのです(その通りだと思います)。
 
■原告弁護士の発言最後は恒例の、原告弁護団から、1年以上経過しているから早く結審するように裁判所に要求がありました。(今回も、原告側からの声を聴いたのは、この1回です)。勿論、被告弁護団は、すかさず、請求した必要な文書・書類の提出をしていないことを反論し,締めくくりました。裁判長も、必要な陳述書・意見書を提示し陳述をするようにと述べて法廷を後にしました。
 
 終わってからですが、退出してない裁判長か経産省側かのどちらかにでしょうか、傍聴席から野次が飛びました。しかし、どちらに向かってにしろ、野次は慎むべきではないでしょうか。

次回は、4月23日(水) 14時からです。

注:「1870年代から認められている自由の表現・表現の自由」
英国のロンドンのハイド・パークの北東の隅にある場所が有名。さまざまな人が日々自説を論じる場所。ここでは、演説しようとする人はイギリス王室への批判とイギリス政府の転覆についての2つを除けば、いかなる話題についても、法的問題を気にすることなく語ることができる。
今では、オーストリア、カナダ、マレイシア、オランダ、タイ、トリニダード・トバゴ、シンガポールなどに広がっている。(「ウィキペディア」より)

(傍聴人/報告者:アイアラック)

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

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