原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

函館市大間原発建設差し止め裁判 原告側(函館市側)代理人が映像を使って弁論 

10月29日(水)3時から函館市大間原発建設差し止め裁判が東京地裁103号法廷で開かれた。

裁判傍聴券の抽選には約150人が並んだ。私は幸い抽選にあたり103号法廷に入る。
部屋の中は緊張した空気が漂っていた。
開廷前に裁判所職員から「携帯電話の電源は切るように、写真撮影、録音は禁止です」との注意があった。
裁判長に向かって左が原告の函館市側の代理人=弁護士が10名程度座り、右手は被告の国、電源開発(Jパワー)の代理人が25名以上が座っていた。

3時きっかりに開廷

●まず中野宏典原告訴訟代理人弁護士が、代理人の後ろの壁に設置されたスクリーンを使って「函館市 大間原発建設差し止め訴訟 第2準備書面について」の説明をした。 
※この準備書面も含めて、この日の裁判に関する書面は函館市HPの「大間原発に関わる主な経過」10月31日付けにアップされている。http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031100330/

■この裁判の特徴は自治体が原告であること。それに対して、国と電源開発(Jパワー)が、「函館市には大間原発差し止めなどを求めることはできない。函館市という自治体には訴える資格はない」と主張していることに対して、「訴える資格(原告適格)がある」ということを証明することが第2準備書面の内容。

▼裁判の報告集会で、法廷と同じ映像を使って説明する中野弁護士
中野弁護士

中野弁護士は「函館市は自治体としての存立維持権がある」ということの証明から始めた。
スクリーンには「1.存立維持権の具体的内容 /2.福島原発事故による自治体存立の危機 3.被告国に対する①法律上の争訟性 /4.被告国に対する反論②原告適格

 1.については、地方自治の本旨←団体自治の本旨の帰結…… 以下略
 要するに憲法92条などを出して地方自治の本旨、自治体における公有財産の重要性などを示した。

 2.については原発事故により、自治体が破壊され強い影響を受けた福島県飯館村、南相馬市などの惨状を例に上げ、また、浪江町では100%の住民が県内外に避難し、家族が離散している例もある。浪江では時間が止まったままでコミュニティーは破壊されている。
原発さえなければと自殺した人さえもいる。退避命令で遺体を捜すことも埋葬も出来なかった。
仮設住宅での生活を強いられているさまざな例。南相馬市は事故後生産人口が減少していると自治体存続の危機を述べた。
※中野弁護士のプレゼンスの詳細はuplan さんの裁判報告集会の録画で見ることが出来る。
https://www.youtube.com/watch?v=-GtggcGuqys&feature=youtu.be

3,4について、原告は負担だけ押し付けられている。
といったことを詳細に論じた。
そして、原告適格を認めるように国に対する反論をした。

●次に河合弁護士が電源開発に対して質問した。
○ 原告の適格性がない、訴訟を門前払いにすべきと主張しているが、地方自治存立維持権を却下せよというのか?
原発被害は居住権の侵害ではないのか?

○原告は即時差し止めを主張しているのである。
電源開発は「大間原発は建設中で設置変更許可も受けていない。時間がかかっていて、これからも設置変更が出てくるかもしれない。そのような「未定のもの」を差し止め請求することはできないと言っている。
その一方で、株主総会では早期の原発稼動をめざすといった。二枚舌を使うのか。
電源開発は、一体いつ、設置稼働申請をするのか?

○原発裁判は最高裁まで行き時間がかかる。早期提訴、判決が必要だ。
大間原発が仮に新規制基準に適合したとしても基準自体が不備である。
我々の主張は変わらないと述べた。

●最後に裁判長が国と電源開発に、反論の準備書面を次回までに出すようにと言った。

この日の法廷はこれで終了。要した時間はおおよそ35分くらいだった。
印象的だったのは、中野弁護士が映像を使って弁論をしているのに、Jパワーの代表的代理人は全く顔を上げず、映像を見ていなかった(みることができなかった)。

(報告:ぬーさん 写真(報告集会):あれこれ屋)

……   ……   ……   ……   ……   ……   ……

【参考資料】 10/30北海道新聞報道
「 大間原発訴訟口頭弁論 函館市、原告適格めぐり反論」
「自治体の存立権 人の生命に匹敵」
 

【東京】函館市が国と電源開発(東京)を相手取り、大間原発(青森県大間町)の建設差し止めや原子炉設置許可の無効確認を求めた裁判の第2回口頭弁論が29日、東京地裁(増田稔裁判長)で開かれた。市に原告適格(=訴える資格)がないとする国の主張に対し、市側は「自治体の存立維持権は、私人で言えば生命に匹敵する重要な利益。原発事故はこれを半永久的に侵害する」などとして、原告適格が認められると反論した。

 訴状によると、市は大間原発で過酷事故が起これば壊滅状態に陥るとし、地方自治体の存立を維持する権利に基づき、原発の差し止めを求める資格は市にもあると主張。国に対して原子炉設置許可の無効を求めるとともに、市が同意するまで建設停止を命ずるよう求めている。電源開発に対して建設の差し止めを求めている。

 7月に開かれた初弁論では国側が「地方自治は函館市の主観的な権利として保障されているものではない」などとして、原告適格を欠くと主張。これに対し市は準備書面で、市が半径30㌔圏内のUPZ(緊急防護準備区域)の範囲内に含まれることから、「原発事故でその存立維持に極めて重要な影響を受けることは明らか」などと反論した。

 第2回弁論では、市側の弁護団が約15分間プレゼンテーションを実施。市が訴えの根拠としている地方自治体の存立権について「地方自治の根幹にかかわる。(事故が起きれば)自治体そのものが事実上廃止されるに等しく、司法権の対象となるのは当然」と反論したほか、福島第一原発事故で被害を受けた周辺自治体の福島県浪江町、南相馬市の実例を挙げて説明した。

 一方、電源開発は市の原告適格がない理由として「大間原発は原子炉設置変更許可申請の準備を進めている段階で、試運転までには少なくとも数年を要する。現時点では権利内容が不明確かつ未成熟の状態」と主張した。市はこれに対し、「電源開発の主張を認めると、原子炉の設置変更許可が下りている川内原発(鹿児島県)以外の差し止め請求はすべて不適法となる」などと指摘し、同社に釈明を求めた。

 次回の口頭弁論は12月25日に開かれる。

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
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