原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

10月29日午後 函館市大間原発裁判報告集会@参議院議員会館

 10月29日(水)、午後4時からは参議院議員会館講堂で裁判報告集会が開かれた。
参加者は126名(*第1回の時同様、多くの方々がお集まりくださったのに、資料が足りなくなってしまい、すみませんでした)。集会の模様はUplan さんの録画でみることが出来る。( )内の数字は録画の時刻を示す。
https://www.youtube.com/watch?v=-GtggcGuqys&feature=youtu.be
  
 最初に10月2日に函館市で行われた日弁連人権大会での工藤函館市長のインタビュー録画の上映(0:05:29)。録画の質が悪く、よく聞き取れなくて大変申し訳なく思っています。

▼工藤函館市長のインタビューの映像

寺崎写真

*インタビューの概要は笠原一浩弁護士の「報告・北の大地から考える、放射能汚染のない未来へ」(その2)で読むことが出来ます。http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11930801935.html

その後、インタビューアーを務められた兼平弁護士に補足していただいた(0:19:35)。

金平
▲兼平弁護士
 
 「工藤市長が提訴以来、一般市民の方々の前で、生の声を聞かせる機会がほとんどなかったということで、市民の方々からも非常に要望がありましたが、これまではすべてお断りされていました。人権擁護大会にご協力いただけるということになり、地元の市民の方がほんとにたくさん来てくださり、大盛況で満員になりました。1000人以上、集まっていただきました。ただ、その後のシンポの参加者はぐっと少なくなってしまいました。

 函館市議会は全会一致で提訴を議決したということで、工藤市長のご苦労があったと思いますが、そこに至るまでの「武勇伝」みたいなものをお聞き出来たら、と思っていたのですが、そんなに説得などしていないということでした。福島の事故で、函館も被害を受けた。経済界、商工会といったところも、福島に関して函館が受けた被害、海産物が売れなくなるとか、旅行者が激減したとか、身をもって感じていて、すくなくとも対岸にある大間原発に関しては反対するという立場だったということです。

 各政党など、市議会には色々な立場の方がいますが、全党派の方々で浪江町、南相馬を工藤市長と一緒に視察に行かれました。その地域の惨状を自分の目で見てこられた方々が、大間で事故が起こって函館がこうなるのは許せない、どうしても防がなければいけない、ということで、全会一致に導けたということです。わたしとしては、ちょっとうれしい「意外」でした。「でも自民党の方とかもいますよね」と聞いてみたのですが、「やっぱり市民の声には逆らえないから」ということで、市民の方々が大間は怖いと言っているのに、自分の党派のしがらみでそれに逆らうことは出来ないんだよ」と言っていらしたことがとても印象的でした(*民意を無視して再稼働を急ぐどこかの市長、県知事に聞かせたい!)。
 余談ですが、わたし、途中で咳き込んでしまい、すっごく苦しかったんですが、市長がわたしの方をちらちら見ながら、わたしの咳が止まるまで、しゃべり続けてくださった。なんてダンディーな方、やさしい方なんだろう、と思いました」。

Image2かいど
▲海渡弁護士

 次に弁護団の海渡弁護士から今日の口頭弁論の要点を説明していただいた(0:24:25)。海渡弁護士は以下のような点を強調された。
この裁判の大きな意義は自治体が訴訟を起こしているという点にあります。世に脱原発を唱える首長はたくさんいても、訴訟を起こせた首長はいない。それは自治体の首長だけがやろうと思っても出来ないから。議会をまとめなければいけない。今回の場合は(市議会の)全員一致になった。それは先の兼平さんのお話では、それほど苦労されていないように話しておられたが、工藤市長が非常に根回しをやられたんだと思います。

弁護団会議の中で、現地に入るとしたら、浪江、南相馬にぜひ行かれたらいいいですよ、と勧めました。原発から何の利益も受けていないけれど、ものすごい被害にあった自治体の実情を見ることによって、函館市の皆さんの気持ちが動くんではないか、と思ったのですが、そういう形になりました。
この訴訟を(門前払いにさせないで)中身に入る論争にしていくことは、弁護団として大きな任務だと思っています。多くの法学者の人たちにも協力してもらい、著名な行政法学者たちの意見書を出すとか、しっかりとした法的環境も作って行きたいと思っています。

▼ドイツ連邦行政裁判所
Image2ドイツ

実際に、ドイツで原発を止めた有名な判決というのがあるのですが、それは自治体が原告だったんです。これは今年5月に日弁連でドイツに行ったときにわかったことです。判決のことは僕らも知っていたけれども、ミュルハイム=ケアリッヒ原発というのは市民だけでなく、自治体が原告になっていた。代理人の弁護士たちと函館市の訴訟の話をしているときに教えてもらった。こういう国際的な交流の中で、この訴訟の中身に踏み込んで、勝てるようにして行きたいと思っています」

その後、中野宏典弁護士が今日の法廷でのプレゼンの内容を、裁判を傍聴出来なかった人のためにも十分時間をかけて説明してくださった(0:30:00)。

▼中野弁護士
Image2中野

*プレゼンの概要は当ブログ11月2日付けの裁判報告をご覧ください。
*プレゼン資料ほか、当日の裁判関連資料は函館市のHPの「大間原発裁判に関わる主な経過」10月31日付けにアップされています。http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031100330/

▼竹田とし子さん
Image2たけだ

大間原発訴訟の会代表の竹田とし子さんからはご自身の大間原発反対運動の関わりを中心に話していただいた(1:12:50)。

1994年「ストップ大間原発 道南の会」発足以降、20年にわたり大間原発建設を止めさせる運動に関わってきました。電源開発は電力会社に水力、火力などで発電した電力を売る会社で、原発をもつことを悲願としていました。最初は実験炉ということだったのが、1995年に突然、電事連からフルMOX-ABWR型原子炉に変更して、始めから商業炉でやるという発表がありました。そのころはまだ、青森でも反対する人たちが多く、その人たちと連携するようになりました。2003年に熊谷あさ子さんと知り合いました。あさ子さんは原発に反対していましたが、前面に出ることはなかったのです。夫が亡くなってからあさ子さんが「共有地分割裁判」を起こし、青森に傍聴に行くようになりました。その裁判は河合弁護士が担当でした。

 原発は大間町が誘致して、2008年4月23日に当時の甘利通産大臣により建設許可が出てしまいました。その年は洞爺湖サミットの年で、「原発はCO2 を出さないクリーンなエネルギー」と言われ、それが受け入れ易い環境があったのです。
大間は絶対止めなければいけない、という思いで函館市に賛成派・反対派を招いてシンポジウムをしてほしいと歴代の市長に要請してきました。その結果、2010年にシンポが開催されました。そこに招かれたのは、この秋から規制委員会に入った田中知氏(当時東大教授)、元東芝技術者の奈良林直氏(北大教授)など、原子力の安全性をアピールする人物ばかりでした。もう、これまで、と思って2010年7月28日国と電源開発を相手に「大間原発訴訟」を第一次原告(168名)が提訴しました。

 提訴に当たり、京大の小出先生にお世話になりました。先生は「大間原発は破滅の道」と言われました。当時は大変な表現だと思いましたが、今となっては、福島の原発を見ればわかるように、収束というのがこんなに大変な、難しいものだということが現実にあるにもかかわらず、やる気のない国、隠したがっている国・電力会社がきちんと保障が出来ないというのを目の当たりにしていると、函館市民にとって、これは未来のわたしたちだ、他人事とは思えない事故が起こってしまった。こういう事故が起きる前に止めなければならなかったのに、という怒りというか、くやしい気持ちでいっぱいです。

 第1回口頭弁論は12月24日、第2回目が翌年5月という、その間に福島原発事故が起きてしまったわけです。何としてでも大間原発の建設を止めたい、そのためにはもっと多くの方に原告になっていただきたい。「超危険 大間原発」ということを広く訴えていただき、一人でも多く第6次の原告になっていただきたいと思います。 

 竹田さんが語ってくださった函館の方々を中心とした20年間の大間原発との闘いの思いを皆で共有しあうことが出来た、貴重な時間だったと思う。その後、会場からの質問に答える時間をとった。

・市民の起こした「大間原発訴訟」の現在の進行状況について
竹田「初代の裁判長は話もよく聞いてくれたし、傍聴席も増やしてくれたりしました。裁判長が交替して、前回(第13回7月18日)では、それまで行われていた原告の意見陳述をさせるさせない、でもめて、15分くらいで打ち切られてしまいました。

今回(第14回10月17日)は「意見陳述はわたしたちの思いです」として裁判長に抗議をしました。この裁判長は来年4月でまた交替すると言われているので、弁護団としては次の裁判長のときに判決をいただくことを考えているようです。次回は2015年3月27日、新しい裁判長になってからの裁判は6月4日が決まっています」。

・福島原発事故以前・以降の裁判で変わった点はあるか。
竹田「安倍政権に替わって再稼働を進めるようになって、裁判所も変わってきているという感じがしています。国から意見陳述をさせない、という話があったのかな、というのはわたしだけの感覚ではないようです。わたしたちは3権分立を習い、だから裁判、と思ったのに、民主主義勢力が今、試されているという強い危機感を持っています。次は特定秘密保護法に関して裁判を起こさなければならなくなるのではないか、と思ったりしてしまいます」。

 最後に、河合弁護士初監督作品「日本と原発」予告編の上映をする予定だったが、DVDの規格が合わず、上映出来なかった。今回は知識・経験不足のため、映像関連のプログラムがうまく出来なかったことを改めてお詫びします。
 「関東の会」はテントに関わる二人を中心にやっていますが、前回同様、大間原発に関心のある方々が快く当日スタッフを引き受けてくださったことにより、集会を開催することが出来ました。引き受けてくださった方々、また集会に参加してくださった方々にも本当に感謝です。

(報告:あっきい, 写真:あっきい,ユープラン)
 
<今後の予定>
大間原発を考える学習会: 地方自治体と原発裁判 ー海外の事例をふまえてー
2014年11月26日(水) 19:00-21:00 (開場18:30)
講師:海渡雄一弁護士  会場:スペースたんぽぽ(JR水道橋駅より徒歩5分)
参加費:800円 (学生400円)
共催:大間原発反対関東の会 + たんぽぽ舎講座会議

第3回口頭弁論: ♪2014年12月25日(木) 東京地裁103号法廷、午後3時より♪

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原発いらない女たちのテントひろば

Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

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