原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

■大間原子力発電所建設差止等請求事件における準備書面16を読んで 大賀

4月20日に行われた大間原発建設差し止め・函館裁判で井戸弁護士が陳述した準備書面16について、大賀さん(第一テント)から分析が寄せられましたのでアップします。

■大間原子力発電所建設差止等請求事件における準備書面16(書いたのは河合弁護士)を読んで 大賀

★準備書面では、去る3月9日の大津地裁の仮処分決定と4月6日の福岡高裁宮崎支部の抗告棄却決定について論じられている。
後者の棄却決定について、準備書面16(河合弁護士)の論述を見てみたい。この準備書面が、宮崎支部決定を「社会通念」というキーワドを場面によって都合よく使いまわし、強引に抗告棄却の結論を導いた不当極まりな決定である(p.3)、としているからである。

★まず本書面は、宮崎支部決定が「当該発電用原子炉施設(大間原発のこと)が確保すべき安全性については、(中略)社会通念を基準として判断するほかない」(59頁)とされたことを取り上げて、その認識自体には正しい契機が含まれているとしつつ、これまでの裁判では緩やかな安全性を指す用語として使用されてきた経緯を踏まえて、「社会通念を基準として用いる場合には、その中身を具体的に明らかにしなければならない」と指摘する。

★そのうえで、①原発事故被害の広範性,永続性,深刻さ、②被害想定の巨大さ、③原発に公益性がない事実、④原発を推進しようとしている電力会社,規制官庁,政治家等に対する抜きがたい不信感,世論調査に現れている市民の意思,規制体制の変化等、諸般の事情を総合考慮して、「社会通念」の具体的内容を探求すべきとしている。

★ところが、棄却決定では「社会通念」が、安全性の確保を曲解する目的で、また原発の規制内容に不合理性がないことの理由として、さらに容認可能な危険性(リスク)の範囲であることの論証手段として、不当に使われているのである。

★したがって宮崎支部決定は、「抗告棄却」の結論が先にあって,その結論を導くために,強引な論理展開(というよりも,ほとんど没論理いってよい)せざるを得なかったとし考えられない。そのためのマジックワードが「社会通念」であり,これを都合よく,しかも福島第一原発事故後の法改正趣旨を全く無視して使うことで,予め決めていた結論を導いているのである(p.14~15)、と結論付けている。

★このように、市民社会との接点が希薄な裁判官にとって「社会通念」というのは、市民社会が被った原発事故被害を顧みることなく、原発を推進しようとしている電力会社,規制官庁,政治家等だけを考慮するものとなっている。そこに「市民の意思」が含まれていないことは明らかである。「市民の意思」は諸般の事情を総合考慮して形成されたものであるのだから、少なくとも社会通念を論じる際は、裁判官も世論を判断基準とすべきではないだろうか。
裁判官が世論を知らないままに「社会通念」を使うと、宮崎支部決定のような机上の空論が成立するのである。

★日本の原発をどうすべきか、という世論調査(字頁の図参照)によると、2011年事故以前、増加と現状維持(増+維)が80~63%、減らす(減)が5~21%だった。ところが事故直後の読売新聞調査で56%(増+維)、41%(減)となった。また同年6月以降では今日まで一貫して、10~31%(増+維)と64~77%(減)のように、賛否の数字が変化したのである。
ひと言で言ってしまえば、事故を契機にして原発賛成が7割から2割前後に減少し、2割前後だった原発反対が7割まで増加している。このように、福島原発事故を契機にして、原発を巡る世論(賛否の割合)は完全に逆転したといえる。

★司法への警句として、
福岡高裁宮崎支部の決定は地震の影響を過小評価しているとする住民側の主張を退けた。4月6日の熊本地震は西川知一郎裁判長の不当決定に対する自然からの警告でないか?

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント(必須)
  • パスワード
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:http://fukusimatotomoni.blog.fc2.com/tb.php/509-74bee0b7

プロフィール

原発いらない女たちのテントひろば

Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

QRコード

QR

福島とともに