原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

人見やよいさんの講演「キューバの奇跡」

人見やよいさんの講演「キューバの奇跡」

原発いらない福島の女たちのメンバー、郡山在住の人見やよいさんのキューバについての講演を聞いた(第11回女たちの一票一揆 院内集会@参議院議員会館講堂、4月25日)。パワーポイントを使い、とてもわかりやすく生き生きと話してくれた。
人見さんは数年前に「Salud!ハバナ」(2006年、33分、DVD)というキューバの都市農業についてのドキュメンタリーを見て、とても感動。ぜひキューバに行ってみたいと思うようになった。そして2012年11月22~29日のキューバツアー(「地球村」主催)に参加した(見出しの後のかっこ内の数字は該当箇所の録画の時刻を示す)。
まずキューバについての簡単なデータと歴史の紹介(0:03:12)。キューバは面積は日本の1/3,人口は1/10, GDPは1/100。数字だけ聞けば、誰もが貧しい小国だと思うだろう。
コロンブスが1492年に上陸したあと、1509年にスペインの植民地となり、スペインの統治は1902年の独立まで続いた。その後、実質的にアメリカの支配下に入った。1956年にフィデル・カストロとチェ・ゲバラによる「キューバ革命」が成功し、アメリカから実質的に独立、1961年には社会主義宣言をした。脅威を感じたアメリカはキューバ政権の転覆を画策。1962年「キューバ危機」。1991年まではソ連から手厚い保護を受けていたが、ソ連が崩壊し、物資の輸入が途絶えた。アメリカからは経済封鎖をはじめ様々な攻撃を受けながら、現在に至っている。
 このような予備知識を知ったあと、人見さんがキューバの特色を8つにわけて説明してくれた。
①キューバの町並み 映画「アメリカン・グラフティ」の世界(0:06:43):キューバの首都ハバナには日本からはトロント経由で入った。約15時間のフライトを経て到着した夜の空港はとても暗かった。
目ぬき通りには植民地時代の名残りで、立派な石造りの建物が並んでいる。
アメリカによる経済封鎖のためキューバにはモノがない、だからモノをとても大切にする。モノを捨てないでリサイクルを繰り返す。その実態に触れ、「経済封鎖」もよいかも、と思わされたほどだったという。その最たるものが使い捨てライター。ガスの補充は2ペソ(6円)、修理は3ペソ(9円)。店で売られている調味料も使用済みのペットボトルに入れて販売。野菜の種は手作りの紙袋に入れて。もちろん、モンサント社の種は入ってこない。
 車も修理を繰り返して使っている。ハバナを走っている車で一番古いのは1930年製。スピードメーター以外は計器が失くなって穴だらけの代物だ。
②キューバの農業 都市型自給自足農(0:15:42)キューバでは輸送、冷蔵のコストを省くため、都市型有機農業の普及に力をいれてきた。石油、農薬もないので有機農業の研究がさかん。農薬を使うとその畑は35年間、使用禁止になる。農園の横に直売所がある。植民地時代は野菜しか食べられなかったので、国民のあいだには肉に対するあこがれが強かった。しかし、カストロはじめ政府が熱心に国民を説得し、今では野菜料理が普及。スライドに出てくる野菜料理はどれもとてもおいしそうだった。
③キューバの防災 巨大ハリケーンにも死者なし(0:21:50)。キューバはハリケーンの通り道だが、巨大ハリケーンに襲われてもアメリカのように死者は出ていない。危険回避のための防災のステップがしっかり決められているのだ。災害が起きたら、災害 → 回復 → 予防 → 準備というサイクルで対応し、災害対策が進歩するように、このサイクルをらせん状に積み重ねて行く。災害で避難が必要なときは、まず弱者を優先し、ペット、家畜、獣医さんも一緒に避難する。
「災害が起きたときには、真っ先に最高責任者が現場にかけつけて現状を把握し、対策を発表します。」「最高責任者の決定は誰も邪魔出来ません」。人見さんが「キューバの政府は国民にウソをつきますか?」と質問すると、「そもそも災害はごまかせないし、国民を騙すことはできません。事実をしらせないことは罪。ウソをつくことは二重の罪です」と政府の防災担当フェリペ陸軍大尉。わたしも日本の現状を思い浮かべながら、人見さんの話を聞いた。
④医療システム 必ず診てもらえる安心システム(0:27:08)キューバではファミリードクター(約13,000)→ ポリクリニコ(地区診療所、約500)→ オスピタル(総合病院、約220)→ 医科大学・研究センター(医科大学25校)というピラミッド型の医療制度になっている。初期の段階で治すことが基本だ。医療費はすべて無料。心臓移植でも無料でやってもらえる。キューバでは医者と患者の関係が対等だと感じたそうだ。また、医師の給料も特別高くないこともその一因ではないか、と言う。
⑤キューバの教育 大学も留学も無料(0:33:25)キューバでは教育費も無料だ。教科書も無料で、大切に使って次の下級生に引き継がれる。制服は有料。訪問した学校の校長先生は一番大事な授業は「国語」と「歴史」。それらを通して自分たちの国の成り立ちを知り、国を信頼するようになるからだ。いじめ、引きこもり、不登校もない。もしあったとしたら、それはその子だけの問題ではないはずだから、その子を取り巻くすべての要因を調査、聞き取りして解決する努力をしますというのが、校長先生の答え。
⑥キューバの観光 エンターテイメントで外貨獲得(0:36:30)キャバレー・トロピカーナという所でツーリスト向けのショーをやっている。入場料は12,000円。キューバ人なら1年分の給料に当たる。その収入がキューバ人の生活に役立っている。いつでも、どこでも歌がある、というのがキューバの印象だったそうだ。
⑦キューバの老後 ゆりかごから墓場まで(0:39:25)スペイン時代に建てられた、どっしりとした教会が現在では老人施設になっている。そこで会ったお年寄りたちはとても明るく、しあわせそうだった。ツアーの一行を案内してくれたのも入居者の女性だった。自分の部屋にも気軽に案内してくれて、人見さんは社会主義社会に対する考えが変わったという。
⑧まとめ 偉大な指導者と賢い国民の国(00:40:04)
―憲法の違い:キューバの憲法では「国民は最高のサービスを受ける権利がある」と謳われている。日本では「国民は健康で文化的な最低限度の生活を送る権利を保障する」。なんという違い!
―思想の違い:資本主義と社会主義
―ラテンの明るい気質(キューバ人 一生、恋愛します)
―選挙の違い:キューバの投票率 平均95%、国会議員は一部有償、地方議員はボランティア、立会人は小学生の男子と女子。
資本主義では限りあるパンのうち、いかに多くを取るかが重要であるが、社会主義ではここにあるパンをいかに配分するかが重要だ。人見さんはキューバは社会主義でありながら、民主的だと思ったという。「キューバは凄い国だった。でも日本も変えられる!私たちがチェ・ゲバラになりましょう!」と参加者に呼びかけた。
谷田部さんたちが福島でたった3人で聞いた人見さんの話。一票一揆の集会で聞くことが出来てよかった。集会に出ることが出来なかった方はぜひ、録画を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=GOH_BI9jF_o

参考資料:
高木善之「キューバの奇跡 孤島に生まれた幸せの国」2013年1月、NPO法人ネットワーク「地球村発行 250円(人見さんが参加したツアーの主宰者による報告)

(報告:あっきい)

コメント

この記事をよんで、子供のころの記憶がよみがえりました。キューバ危機です。核戦争のボタンは、押される直前までいったのです。アメリカ帝国主義の鼻先での革命は、やはり・・・・。今は、朝鮮危機です。当時と違い、老年となった私ですが、若い人たちに平和な社会を残したい。3,4月が緊張だったせいか、すっかり体調を壊してしまいました。自分のホームページもブログも触れず…再見!
2013/05/07(火) 07:14:50 | URL | maririnn  [編集]

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Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
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