原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに

『6.3脱原発テント裁判を考える講演会』

【午後6時半より講演会開始】
場所は御茶ノ水の、明治大学リバティホール。
この時刻まだ外は明るく、爽やかな季節、会場の一階ロビーのガラスから見える歩道にもロビー内にも、学生たちがなごやかに集い行き来しているが、会場入り口でチラシ配りがなされても学生たちに関心を示す様子はない。やってくる参加者は年配者ばかり…。参加者たちは、昨日の大きな脱原発集会やデモ行進、国会包囲にも参加された方も多いのでは?と思われるが、連日でも皆さん元気で、足取りに勢いも感じる。4月下旬から、国が起こしたテント立ち退き訴訟に向けての一連の抗議行動が続き、きょうまで来た。怒涛のような日々だった気もする。

【 司会は、木村結さん】
いつもながら凛とした着物姿で、落ち着いた佇まいが会場の雰囲気をやすらげ、且つ気持ちよく引き締めてくれる。

鎌田さん
▲鎌田慧さん

【鎌田慧さんの「テント応援団発足に当たって」挨拶】
《この裁判で、“天下りの巣窟、諸悪の根源の経産省”をやっつけよう!》
既に裁判に向けて心のスクラムが伝わってくる参加者に向かって、鎌田さんの経産省を表す言葉も鮮明(?)度を増す。「“天下りの巣窟、諸悪の根源の経産省”をやっつける道を、テントが体を張って切り開いてくれた」「国有地に国民が座り込むのは当然だ!」(会場から拍手、「そうだ!」の声)。
「365日あがっているアドバルーンのようなテントは、可視化された運動となっている」。「私は応援団だが、テントから応援されている」

《テントへのオマージュ》
「ひとつ、70歳を過ぎると恐いものが無くなる。その人たちがテントを守っている。
 2つ目、テントには福島の思いが凝縮している。福島の女たちもこのテントを守っている。 
 3つ目、テントが、ネットを通じて広がることの意義。様々なテントを日本列島に作りたい」。


落合さん
▲落合恵子さん

【落合恵子さんは、「私のこの髪は、怒髪。天突く怒髪です」と】
「全く恥知らずな国に生まれてしまった憤りと悲しみでいっぱいだ」「私のこの髪型は、怒髪で、ヤマンバと呼ぶなら呼べ。ヤマンバも西洋の魔女も、権力に立ち向かう女性を指しているのなら」。
(「最近、鎌田慧さんと髪型が似て、写真は眼鏡を掛けて見ないと、どちらが自分かわからない」と会場を笑わす)

《暮らしの無い主義・主張は折れる。経産省には“暮らし”が無い 》
「テントにあるものは、思想、姿勢、生活。この〈生活がある〉というのが素晴らしい。テントから「温まっていきなよ。カイロあるよ。蜜柑あるよ」と声をかけてくれる。私は、”暮らしの無い主義・主張は折れる”と思っている。経産省のあいつらには(闘いに下品な言葉は使いたくないが、最近どんどんそうなってしまう、あえて言う!)“あいつらには暮らしは無い”!」「テントひろばは、セント・エルモス・ファイヤー(航海の灯台となる火)だ。」

そして、落合さんの出身地の栃木県の偉人、田中正造翁の言葉を読み上げた。
「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。
全ての年寄りが「生きて良かった」と言える、全ての子どもが「生まれて良かった」と言える世にせねばと。
落合さんのお母様の言葉も話され、そして岩手県の子らから福島県の子らへ渡された歌も、会場で紹介された。

《経産省が“みせしめ”に起こした裁判に負けるわけにはいかない》
最後に、この裁判について「経産省は所有権をいうが、福島の人々の私有地を汚し続けたのは誰だ!テントを見せしめにしようとしている。絶対に賠償金を支払ってはならない」と。
支配と被支配の構造、男社会と女たちの構造、差別の構造のあらゆるものを根絶やしにしなければならないと、キッパリ訴えた。

【広瀬隆さんは、福島へ行ってきて感じた話をされた】
「東北6県の祭りが福島で開催された。福島は、他県から来る人のために祭りの前に会場を除染した。これは、“普段福島の人たちを被曝させている”ということの証明じゃないか!」。
「『原発・福島人権』問題は、明治維新から続く歴史。敗戦後憲法9条の原案は、福島県の鈴木安蔵が作ったのに、マスコミはどこもそれを書かない。諸悪の根源は官僚で、復興支援金の分配も、やっているのは政治家でなく官僚。マスコミはこの官僚らの名前を出せ」と、記者席に向かっても強く発信。「官僚の良心を目覚めさせよ!と、今回福島に行くまでは思っていたが・・」で話しを終えた。「テント運動に『福島難民を救え』を加えてほしい」と話の中で要望した。

【 中島哲演さんは、大飯原発差し止め訴訟で、原告として陳述した内容を伝えて】
“つまらない判決”がでないようにやらねばならないと。そして二つの提案をされた。「ひとつ、皆が、三食のうち一食抜いて、そのお金を裁判経費にカンパする。二つ、《小欲知足》して、犠牲になった人々を偲ぼう」。

【ミサオ、レッドウルフさんは、テントの人たちの本気度に打たれたと】
最初に、「名前は仕事のペンネームで、日本人です」と自己紹介し、首都圏反原発連合を2007年に結成された経緯を話された。「それまでアウトサイダー的で何をやっても無理だろうと思っていたが、自分は反グローバリズム、反シオニズムで、原発もその一つで、システムに風穴を開けたかった。体は一つなので、取り組むものを絞り込んだ。放射能は生命・環境に対する冒涜だから。
”直接行動で意思を可視化”したくなった」。

《活動を大衆化したい、特別な人がやっていると見せたくない思い》
「 テントに対しては、初め、九条も掲げてイデオロギーを混ぜてくるので、難しいことを言うと敷居が高くなるので、身を引いていた。その人たちが、シングルイシューに絞り込んだのは「余生をこれに掛けているな」と、本気度を感じた。経産省前での抗議にテントでトラメガなど借りる“お隣さん”になっていった」。

《市民運動など起さなくてもいい政治を》
「テント訴訟はあり得ない。撤去させるのは原発の方。廃炉も、この会場にいる人たちが生きている間には為し遂げられないほど時間がかかるのに。政府がきちんとやらなければならない。市民運動があるのがおかしい、市民運動など必要のない社会であるべき」。

河合弁護士
▲河合弁護士

【 河合弘之弁護士は、今回の裁判についての説明と、ここに至った感慨、闘いへの意気込みを】
(公判や報告集会でも話され、ブログで既に報告されダブル部分は、省略します)

《この裁判を“民事訴訟として”おこなう難しさ”について、こう説明された。》
「土地の不当な占拠を訴えた裁判であるが、誰が不当に所有しているかが分からない。被告にされた二人も自身、所有しているのかわからないし、二人がテントから出て行ったらどうなるのか、居ない人相手に裁判起すことになる。二人には、「しばらくテント横に設置された監視カメラから離れてどっかに行っていたら」と勧めている」(会場から笑い声)「(当事者をいっぱい増やし)ややこしくして、相手に”けた繰り”を噛まそう!」。

《なぜ今政府が原発の訪問販売をしているか》
「巨大市場確保に乗り遅れまいと首相が世界各国に原発を訪問販売に行って、相手国に「修理はどうする?」と聞かれて「我が国には原発無いので」と言えないので、強引に再稼働しようとしているのだ」「トルコのような地震国に原発を売り、原発事故を起こしたら、“数少ない”日本に好意的な国を失うことの、その大きさを政府は思え!」。
訴訟報告集会で披露した『飯館村の歌』も歌い、「こんな素晴らしい村を潰した」原発を許してならない事を、心から参加者に伝えておられた。

《弁護士たちは再び立ち上がった、明るい希望》
「311以後、これまで裁判連敗で、孤立奮闘するしか余裕の無かった脱原発裁判の弁護士たちが、横の連絡を持つようになった、連絡会呼びかけに300人も手を上げた。大きな事故は起きないだろうと思っていた国民全員が目からうろこで、裁判官たちも同様だろうからと、再び原発差し止め裁判を各地で起し、会で資料も共有している。」

《脱原発実現までねばり強く、しかし、思い詰めると切れるから》
「人生の楽しみもとっておいて、この運動を続けよう。そして、自分たちのしていることに誇りを持とう」。

河合弁護士の表情が、日毎に明るくなり輝いているように見えた。
昨日も、明治公園と芝公園の二つの集会会場を、自転車で軽快な半袖シャツ姿で回られ、国会包囲にも参加し、満面の笑顔でテントにも立ち寄られた。
20年余、ずっと渾身の闘いをしてきてくださったお姿にこみ上げるものを感じ、胸が熱くなり、深く頭を下げた。

【会のまとめ;鎌田慧さんから】
《テントは被告でなく、まるで原告》
最後に、鎌田慧さんが、再びマイクを持ち、正清、渕上両氏も壇上に招いて一言ずつ決意を述べてもらい、被告たちはまさに経産省を糾弾する原告のような紹介となり、会場は皆で原告になったような、原告応援団結成会かと錯覚するほどの盛り上がりで、閉会となった。

正清さん・淵上さん
▲マイクを握る淵上さん、左が正清さん、右が鎌田さん

(写真;あれこれ屋、報告;カトリーヌ )

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原発いらない女たちのテントひろば

Author:原発いらない女たちのテントひろば
「未来を孕むとつきとおかのテント行動」を引き継ぐ新ブログにようこそ!

「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」は
東京・霞が関の「経産省前テントひろば」を拠点とした、女性による脱原発・反原発のアクションです。
 年齢もバックグラウンドも様々な女たちが、福島原発事故に対して立ち上がった「原発いらない福島の女たち」につながろうと集まって来ました。
 それ以来、つねに新しい仲間を迎えながら、「原発を止めたい」「子どもたちを守りたい」という思いのもとにテントを拠点に多様な活動を続けています。
 生きること、暮らすこと、命をつなぐこと。小さく、ささやかなものへの眼差しを大事にして、「原発」という強大な構造を変えて行けることを固く信じて。
 このブログはもう一つの「テントひろば」。誰にでも開かれた、語らいと学びと交流の場です。世界中の女たちに呼びかけます。
「強く、そしてしなやかにつながっていきましょう!」

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